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医学の豆知識

45.消化管の内視鏡治療 2010年1月19日掲載

 一般に胃カメラと言ったほうがなじみが深いと思いますが、内視鏡が現在の名称で、胃に限らず食道、小腸、大腸にも使用されます。当初、消化管の中の観察(診断)を目的として開発された内視鏡ですが、その後の機器と技術の進歩によって様々な治療にも応用されるようになりました。以下に現在行われている内視鏡治療の代表的な疾患をあげます。

1.がん
 咽頭(のど)から直腸まで全ての消化管のがん治療に内視鏡が利用されています。但しその適応は早期がんに限られます。消化管の内腔からがんを剥ぎ取るように切除するので、深い層まで達したがんや転移がある場合には施行できません。したがっていかに早期の段階でがんを発見するかが大切となります。
 また手術不可能な進行がんではレーザーによる治療や、通過障害(食べた物がつまってしまう)に対する拡張術やステント(狭くなった部分に通す金属性のパイプ)挿入も行われます。

2.ポリープ
 消化管の粘膜から発生する良性の腫瘍の総称がポリープです。ポリープにもいくつか種類があり全てが治療対象となる訳ではありません。しかし中には将来悪性化するものや出血や通過障害をきたすものがあり、大半は内視鏡で切除可能です。

3.消化管出血
 吐下血の原因は胃十二指腸潰瘍、食道静脈瘤、逆流性食道炎、腫瘍、痔など非常にたくさんあります。今ではその大半が内視鏡で止血可能となっていますが、中には困難で緊急手術となる例もあります。

4. 異物除去
 食物以外のものを飲み込んでしまった場合にその除去を行います。入れ歯、薬のパッケージ、コイン、スプーン、爪楊枝など様々な物があります。静岡県で比較的多いのは鯖、イカなどの摂取でおこるアニサキスという寄生虫です。非常に激しい腹痛をもたらしますが、内視鏡によってこの寄生虫を除去すると途端に改善します。

5. 胃瘻(いろう)
 腹壁から胃の中に栄養補給のために通す管を胃瘻と言います。以前は手術をしていたものですが、現在では内視鏡下に挿入が可能です。その多くは嚥下障害のある高齢者で、今後ますますの需要がありそうです。

 この他にも様々な疾患に対して内視鏡を使用した治療が行われておりますが、決して万能でありません。他の治療方法を選択したほうがより良い結果が得られることもあり、また合併症も皆無ではありません。担当医とよく相談して方針を決定することをお勧めします。

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