27.高血圧症 2007年7月4日掲載
脳卒中や心臓発作などの心血管疾患は世界の全死因の30%であり、癌や感染症よりも高い割合を占めております。また脳卒中の62%および心臓発作の49%が高血圧によるのもであり、血圧の上昇は、高血圧症と診断されるレベルに達していなくても心血管病の重要な危険因子であり、その予防と治療は心筋梗塞や脳卒中などの発生を抑え、合併症やそれによる死亡を防ぐでしょう。
ちなみに、国民の収縮期血圧(高い方)が平均2mmHg低下すると脳卒中死亡率は約6%減少すると推計されています。
高血圧症の治療の第一歩は非薬物療法で、禁煙、減量、減塩、運動、節酒、カリウム補充、低脂肪で野菜の多い食事を心がけ、健康的なライフスタイルを実践することにあります。非薬物療法でコントロール不良な高血圧症に対しては、厳格に血圧をコントロールするために薬物による治療を積極的に受けるべきです。
血圧の分類には、至適血圧120/80未満、正常血圧120〜129/80〜84、正常高値血圧130〜139/85〜89、軽症高血圧140〜159/90〜99、中等〜〜重症高血圧160〜/100〜とあり、120〜139/80〜89(正常血圧〜正常高値血圧)の例でも、至適血圧に比べ脳心血管合併症の危険性が高いのです。そして、軽症高血圧(140〜159/90〜99)は男女とも高血圧の中で最も多く、高血圧の半数以上を占めています。この程度の血圧値であっても、心血管系疾患の発症頻度は正常血圧者に比べ明らかに高く、治療を必要とする高血圧とされています。
最後に、自己管理の方法として家庭血圧測定を薦めます。家庭血圧測定は、血圧の日内リズムの評価が可能だけでなく、通院や服薬の確実性が向上し、予後不良である仮面高血圧(診察室で正常域で、家庭では血圧が高い)の発見が可能になります。高血圧の一次予防における家庭高血圧の役割は今後ますます重要となるでしょう。