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医学の豆知識

17.学校伝染病について 2005年4月12日掲載

学校伝染病は第一種〜第三種まであり、治癒後に登園・登校許可書が必要となります。それらの疾患の出席停止の期間、感染経路、潜伏期間(感染してから発病するまでの期間)、感染期間(人にうつす時期)等について説明します。

第一種:全て治癒するまで

エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、マーブルング病、ペスト、ラッサ熱、コレラ、細菌性赤痢、ジフテリア、腸チフス、パライチフス、急性灰白髄炎
以上の疾患は原則入院治療となりますので、出席停止期間を退院可能となる治癒するまでとしました。

第二種:

  1. インフルエンザ:解熱した後2日を経過するまで
    感染経路:空気感染あるいは飛沫感染
    潜伏期間:通常1〜3日程度
    感染期間:発症後3日程度までは感染力が強い
    インフルエンザウィルスにはA型〔アジア型(H2N2)香港型(H3N2)ソ連型(H1N1)鳥インフルエンザ(H5N1)〕・B型・C型(人に流行せず)があります。
  2. 百日咳:特有の咳が消失するまで 
    感染経路:百日咳患者の鼻咽頭や気道分泌物の飛沫感染、接触感染。
    潜伏期間:通常は7日で、10日以内。長くても21日を超えることはない。
    感染期間:カタル期(咳・鼻汁など感冒様症状のある時期)〜第4週までで、初期に感染力が強い。抗生剤を使用した場合は5〜7日で感染力はなくなります。
    母親からの移行免疫が有効に働かないため、生後2カ月未満の乳幼児でも罹患します。
  3. 麻疹:解熱した後3日を経過するまで
    感染経路:飛沫感染
    潜伏期間:9〜11日
    感染期間:発病2〜3日前から発疹出現4〜5日後
    麻疹脳炎の頻度は1/1000〜2000例で死亡率は約10%、麻疹症状の重症度に関係なく発症。約65%には後遺症が残るとされています。
  4. 流行性耳下腺炎:耳下腺の腫脹が消失するまで
    感染経路:主として飛沫感染、患者との接触など。
    潜伏期間:2〜3週間(通常16〜18日)
    感染期間:発症の数日前から症状消退まで
    30〜40%の人はかかっていても症状が出ません。しかしその時でもウィルスを排出しています。唾液腺の中でも耳下腺が侵される事が多いが、顎下腺・舌下腺の腫脹を伴う事もあります。過半数に発熱を伴います。髄膜炎の合併は全患者の約10%。
    感音性難聴は一側性で発生率が以前は低いといわれていましたが、現在多いところでは0.5%の報告もあります。
  5. 風疹:発疹が消失するまで
    感染経路:鼻咽腔分泌物の飛沫感染
    潜伏期間:14〜21日(通常16〜18日)
    感染期間:鼻咽腔に風疹ウィルスを排泄している期間、発症(発疹)出現の数日前から5〜7日後まで。
    発熱(40%)・リンパ節腫脹・発疹(顔面に始まり全身に広がり、約3日で消失)が風疹の3大症状。脳炎の合併は1/4000〜6000です。
  6. 水痘:すべての発疹が痂皮化するまで
    感染経路:飛沫感染、水疱液内ウィルスも排出部位か
    潜伏期間:10〜21日(多くは14〜16日)
    感染期間:発疹出現1〜2日前から水泡が痂皮化するまでの7〜10日程度伝染力があるとされる。帯状疱疹は帯状疱疹としては感染しませんが、水痘未感染者にたいし感染源になります。伝染力は麻疹に次いで強く、家族内感染発症率は90%以上で不顕性感染は少ない。軽い発熱(70%)、倦怠感、発疹で発症。家族内感染では、発疹の数は約2倍になります。
  7. 咽頭結膜熱:主要症状(発熱・咽頭発赤・結膜充血など)が消失した後2日を経過するまで。
    感染経路:通常は患者からの飛沫感染。経口あるいは経結膜感染もある。
    潜伏期間:5〜7日
    感染期間:感染力が強いのは急性期であるが、回復した後あるいは無症候性感染者からもウィルスが排泄されることがあり、感染源となりうる。
    プール熱とも呼ばれ、通常夏季に流行します。
  8. 結核:伝染のおそれがなくなるまで
    感染経路:感染源の患者の咳・くしゃみとともに排出する飛沫(核)を吸い込むことによる空気感染。
    潜伏期間:感染後1〜2カ月でツベルクリン反応が陽転、その後3カ月以降一生涯にわたり約30%の既感染者に発病がみられる。
    感染期間:塗抹陽性期間

第三種:

  1. 腸管出血性大腸菌感染症:伝染のおそれがなくなるまで
    感染経路:ウシ・ヒツジ・シカなど反芻動物、あるいは患者や保菌者の糞便からの経口感染。
    潜伏期間:2〜14日(平均3〜5日)
    感染期間:多くは数日内。抗菌剤を使用しない患者で3カ月排菌した例もある。
  2. 流行性角結膜炎:伝染のおそれがなくなくまで
    感染経路:涙液、眼脂で汚染された指やタオル類からの接触感染
    潜伏期間:1〜2週間
    感染期間:発症後2週間
  3. 急性出血性結膜炎:伝染のおそれがなくなるまで
    感染経路:涙液、眼脂で汚染された指やタオル類からの接触感染
    潜伏期間:約1日
    感染期間:発症後1週間
  4. その他の伝染病
    • 溶連菌感染症:治療開始後24時間以上を経て、熱もなく全身状態がよければ可
      感染経路:鼻汁・唾液中の溶連菌飛散によってヒトからヒトへ感染。食品を介しての経口感染もある。
      潜伏期間:およそ1〜4日
      感染期間:咽頭粘膜、扁桃にA群溶血性レンサ球菌が存在する間。
      症状は突然の発熱(高熱)、咽頭痛、全身倦怠感、時に皮疹もあります。小児の場合は、嘔吐、腹痛などを併発することが多い。急性期患者の感染力は強いが、抗生剤投与により多くは1〜2日目には症状も消失し、感染力も著しく低下する。不十分な治療は無症状保菌者を生じやすい。
    • ウィルス性肝炎
      • A型肝炎:症状がなくなり肝機能が正常化するまで
        感染経路:
        経口感染(汚染された飲料水、食物から)
        潜伏期間:
        2〜6週間(平均約30日)
        感染期間:
        発症後1〜2カ月(肝内胆汁うっ滞型では4〜6カ月)
      • B・C型肝炎:症状がなくなるまで。キャリアは出席停止の必要なし。
        感染経路:
        ウィルスキャリアや急性肝炎患者からの血液を介する感染。
        潜伏期間:
        B型肝炎 1〜6カ月 平均3カ月
        C型肝炎 2〜16週
        感染期間:
        B型肝炎 1〜2カ月。乳幼児では高率にキャリアになる
        C型肝炎 年齢に関係なく60%以上がキャリアになる
    • 手足口病:解熱するまで
      感染経路:飛沫感染、糞口感染、水疱内容からの直接感染
      潜伏期間:おおよそ3〜5日
      感染期間:急性期が最も感染力が強く飛沫・糞口・水疱感染のいずれも生じる。症状から回復後も2〜4週間程度は便からウィルスが排泄されることがあるので、感染源となりうる。
    • 伝染性紅斑:発疹の出たときには感染力はないので出席停止の必要なし
      感染経路:通常は経気道感染。まれに血液を介して感染。
      潜伏期間:軽い発熱期(ウィルス血症時)まで約1週間。紅斑が出るまでと考えると10〜20日
      感染期間:感染後約1週間〜10日。紅斑の出た段階ではほとんど感染力はない。
      両側頬部に紅斑出現後1〜2日目に四肢にレース状・網目状紅斑が、出現する。顔面の発疹は7日、体幹の発疹は4、5日で消退することが多いが、2〜3週間持続することもあります。一時消失した発疹が再び短期間のうちに出現することが10〜30%の割合でみられる。その時ウィルスの排泄はない。
    • ヘルパンギーナ:解熱するまで。
      感染経路:急性期には咽頭からウィルスが排泄されるので飛沫感染する。
      急性期〜回復期には糞便にも排泄されるので、汚染された手や
      飲食物を介する糞口感染もある。
      潜伏期間:おおよそ2〜4日
      感染期間:発症前日〜数日間が最もウィルス量が多い。便には4週後頃まで排泄が続くが、ウィルス量は少なくなる。便からは1〜4週間にわたりウィルスが検出されるため、他人への感染防止の目的で登園停止にしても実効は上がらない。
    • マイコプラズマ感染症:症状が改善し全身状態がよくなるまで。
      感染経路:咳・痰からの経気道飛沫感染
      潜伏期間:2〜3週間
      感染期間:強い呼吸器症状のある期間
      気道上皮に病原体が増殖している2週間前後。
    • 流行性嘔吐下痢症:症状が回復し全身状態がよくなるまで
      感染経路:主として経口感染であるが、飛沫感染も重要と考えられている。
      潜伏期間:1〜3日
      感染期間:症状がある期間。
    • アタマジラミ:出席停止の必要なし
      潜伏期間:気づかれるまでに1カ月程度
    • ミズイボ:出席停止や水遊びの禁止の必要なし
      感染経路:直接接触感染のほか、器物を介しての間接感染もありうる。プールでビート板や浮き輪、タオルなどの共有をしないのが良い。

これらの伝染病は人から人にうつり流行するのです。うつされた子供の中には入院加療が必要になったり、合併症を併発し死亡したり後遺症を残す子供がいるのです。これぐらいは大丈夫などと思わず発熱、咳、発疹、下痢などの症状があったら登園・登校する前に病・医院を受診し登園していいか聞きましょう。

上記の伝染病の中にはワクチン接種によって予防することのできる疾患もあります。麻疹は90%の接種率で流行がなくなるといわれ、現在1歳過ぎたらなるべく早く麻疹ワクチン接種をと推奨しています。公費でできるワクチンは富士市から配布された健康カレンダーを参考に、その他のワクチンに関してはかかりつけ医にご相談ください。お子さんのために予防接種は対象年齢になったら早く接種してください。

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