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医学の豆知識

12.前立腺肥大症 2002年12月8日掲載

前立腺肥大症は男性の中高年者に起こる排尿障害をきたす代表的な疾患です。前立腺は男性の膀胱の出口にあって、尿道を取り巻いている器官で、これが大きくなって尿道を圧迫し、尿を出にくくするのがこの病気の特徴です。前立腺は50歳位から大きくなってきて、5人に1人位が前立腺肥大症になるとされています。

特徴的な症状

  1. 夜間頻尿:夜間の排尿回数が増えてしまうこと。
  2. 排尿困難:排尿がスムーズに行えないこと。
  3. 切迫性尿失禁:尿が我慢出来なくて漏れてしまうこと。

以上が主な症状ですが、飲酒及び性交渉によって前立腺の充血や尿道粘膜のむくみが起きて、排尿出来ない状態(尿閉)を引き起こすようになることもあります。排尿困難が続くことで徐々に排尿後に膀胱の中に残ってしまう尿( 残尿)が増えてしまい、ついには残尿量が300ml以上になってしまう状態(慢性尿閉) が起きてしまいます。この状態を放置していますと腎臓の機能が徐々に低下して慢性腎不全( 尿毒症)に陥ってしまいます。

診断方法

  1. 問診: 症状を十分にお聞きして病気の状態を把握します。
  2. 検尿: 尿の中に出血や細菌の影響がないかどうかみます。
  3. 前立腺の超音波検査:膀胱に尿が溜まっている状態で前立腺の大きさを確認すると共に、排尿後の残尿も確認することが出来ます。
  4. 尿流測定:尿が出るまでの時間、排尿している時間、排尿の勢いを検査します。
  5. 血液検査:前立腺組織の中に癌の成分が含まれていないかを検査します。

治療方法

前立腺肥大症の治療は薬の内服及び手術的治療の2つに分けることが出来ます。薬にも種々の薬があり、患者さんの病状に合わせて薬を選択します。また、手術的治療でも開腹手術及び尿道から内視鏡を使って行う経尿道的手術などがあり、年々患者さんにとって負担にならない手術方法が開発されています。その中に通院で治療が受けられる温熱療法やマイクロ波高温熱治療法、高エネルギー焦点式超音波治療法などがあり、今後さらに患者さんにとって安心して行える手術方法が確立されることと思われます。

前立腺癌との関係

高齢化社会になり、食文化も欧米化した今日、前立腺肥大症だけでなく、排尿障害を訴えられる患者さんの中に前立腺癌の方が増加している傾向にあります。血液検査で前立腺腫瘍マーカー(癌関連物質)を検査していただくことで、癌の有無をかなりの確率で診断することが出来ます。排尿の異常を自覚されたら早急に医療機関( 専門医) で受診されることをお勧めします。

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