10.気管支ぜんそく 2002年12月8日掲載
気管支ぜんそくの患者さんは、一見健康そうに見えても、少しの刺激(冷たい空気やタバコの煙など)により咳が続き、痰がからみ、しかも夜や朝方になると激しい咳でゼーゼーヒューヒューし、ひどい時は呼吸困難に陥ります。
この発作は、空気の通り道である「気道」に、ほこりやダニなどのアレルゲン(アレルギー反応を起こす原因物質)やタバコの煙などの刺激物質が入ると、気道の粘膜が刺激され、炎症細胞が集まって色々な刺激性の物質を出し、その作用で粘膜は荒れて、少しの刺激にも過敏に反応するようになります。ぜんそくの患者さんの場合、こうした状態が常に起こっているのです。気道が過敏になっているところに、再びアレルゲンや刺激物質が加わると、粘膜は過剰に反応します。気道を取り巻く筋肉(平滑筋)が収縮したり、粘膜がむくんだりするほか、分泌物(痰)がたくさん出るようになります。その結果、気道の内腔が狭くなって呼吸困難に陥ります。これがぜんそくの発作です。
ぜんそくの原因としては、アレルゲンや刺激物質が多いという環境的な要因に加えて、それらに対して敏感な体質を持っていることも関係しています。
ぜんそくの治療では、アレルゲンや刺激物質を身の回りからできるだけ減らし、過労やストレスをためないことが大切です。薬物療法では、気道の炎症を抑えて、気道の粘膜の状態を整え発作を起こりにくくする薬と発作のある時に使う薬があります。炎症を抑える薬として、吸入ステロイド薬、クロモグリク酸ナトリウムや抗アレルギー薬などがあります。特に、吸入ステロイド薬はぜんそく治療の基本的な薬で、気道の炎症を抑え、敏感になった気道を少しずつ正常な状態に戻していく働きがあり、しかも直接気道に作用するため少量ですみます。薬の効果が現れるまでには多少時間がかかりますが、薬を続けていくことで発作が起こりにくくなり、たとえ発作が起こってもその程度が少しずつ軽くなっていきます。しかし、非常に強い刺激にさらされた時や、かぜをひいて粘膜が荒れた状態になると、発作が引き起こされることがあります。この場合には、狭くなった気道を広げる気管支拡張薬の吸入や点滴などが行われます。
発作が起こりにくくなったり、軽くなったりすると、病気が治ったと勘違いして治療を止めてしまったり、また、発作が起こってから吸入の気管支拡張薬にだけ頼って吸入を繰り返す人がいますが、これは危険です。いずれにしても、医師と相談の上、薬を正しく使用し、根気よく治療に専念することが大切です。