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医学の豆知識

9.高齢者の骨折 2002年12月8日掲載

私たちの国では急速な人口高齢化が進み、高齢者の骨折の発生数が増加しています。高齢になると骨の量が減少し、ねばりも低下し、容易な日常生活動作でも骨折しやすくなるからです。骨粗鬆症(こつそしょうしょう)と関係が深いと言われています。

骨折する部位はほとんど一定しており、脊椎圧迫骨折が一番多く、次に橈骨遠位端骨折、大腿骨頚部骨折の順になります。

1) 脊椎圧迫骨折は骨粗鬆症で最もよくみられる骨折で、脊骨がつぶれると激しい痛みが出ます。閉経後の 50 歳後半から増加します。痛みの程度に応じた安静は必要ですが、長期寝たきりによる合併症を避け、コルセットなどで自立をすすめることが大切です。

2) 橈骨遠位端骨折は手首の骨折です。骨量が減少し、骨皮質(骨の周辺部)が薄くなり転倒などで生じます。ズレを戻してギプス固定を行うことが多いのですが、早期リハビリテーションを目指した手術などの工夫もされています。

3) 大腿骨頚部骨折は“ふともも”のつけ根の骨折で、60歳代から徐々に増え、70歳以降に急激に増加します。原因はつまずいて転倒したような軽いものが70〜80%を占めます。著しく活動性が低下するため、寝たきりや痴呆などを引き起こしやすいのです。治療は手術をすることが多いのですが、積極的なリハビリテーションも大切です。

骨折防止の予防は高齢者の生活を高めることができます。日光浴を行い、体を動かし、柔らかさを改善し、バランスを保つことが転倒の予防になります。階段、浴室、トイレなどに手すりを付けるなどの環境を整備することも必要です。

最近の知見として、薬剤治療では骨折防止薬が報告されています。脊椎圧迫骨折には有効性が認められています。大腿骨頚部骨折には骨量増加と転倒防止が重要であり、万一転倒した時には、大腿骨保護装具が役立つことも報告されています。最近話題のサプリメントでの補充もある程度は認められていますが、偏った使い方は危険です。

将来は骨折を防止できる時代が来ると思われますが、もし高齢者の骨折の疑いがある時は、受傷後できるだけ短期間のうちに、整形外科などの専門医を受診することが大切です。

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