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医学の豆知識

7.糖尿病 2002年10月15日掲載

今日、日本に糖尿病患者は約 690 万人、予備軍である耐糖能異常を含めると実に 1370 万人にのぼると言われています。正に現代の国民病であり医学的のみならず社会的・医療経済的にも大きな問題となっています。この数年間、糖尿病の成因・病態・合併症・治療法などに関する理解が急速に進歩し、それに伴って新しい診断基準や一次予防・二次予防に対する厳格な血糖コントロールの必要性が強調されてきました。糖尿病の概念を示します。

  1. インスリン作用不足によって慢性高血糖・尿糖陽性で代表される特徴的代謝異常が起こる。インスリン作用不足は膵臓からのインスリン分泌の低下とインスリン抵抗性(インスリン感受性の低下・これは肥満体型の人に多く、過剰にインスリンがあるにもかかわらず高血糖が続く状態)が原因である。 21 世紀はインスリン抵抗性との戦いとも言われています。
  2. 高血糖が続けば口渇・多飲多尿・体重減少・全身倦怠感などの症状をきたし、重症では昏睡に至る。
  3. 糖尿病特有の合併症(網膜症・腎症・神経障害)や動脈硬化をきたしやすく、最近動脈硬化症は食後高血糖に伴い、ごく早期から発症、進展すると言われています。従って、早期発見、早期治療が重要であることは言うまでもありません。

治療には一般に非薬物療法と薬物療法があり、非薬物療法には食事療法と運動療法が、薬物療法には経口血糖降下剤とインスリン療法(注射)があります。食事療法、運動療法が治療の基本です。食後高血糖が続く早期軽症の時期には血糖値はインスリンの血中濃度ではなくインスリン感受性により決定されるので食事療法としてバランスのとれた適正カロリーへの制限、運動療法として個人に適した運動の種類と量を一生続けていかなくてはならず、つまり、過食、ストレスを避け適正体重を保つことを目標とした生活習慣の改善を必要とします。しかしながら、それでも良好なコントロールを得られない時、薬物療法の助けを必要とします。経口血糖降下剤にはその構造、特性などから

  1. 膵臓に作用してインスリン分泌を促進するもの。
  2. 主として肝臓に働きインスリン抵抗性を改善するもの。
  3. 腸管での糖質の吸収を遅らせるもの。
  4. 筋、脂肪などに作用しインスリン抵抗性を改善するもの。

が存在します。また、経口薬で充分なコントロールを得られないときや、さらに厳格な血糖コントロール、インスリンの生理的分泌パターンを必要とする際にはインスリン療法を行うこともあります。

いずれにせよ、高血糖や尿糖を指摘された方はなるべく早く医師に相談し個々の病態に最適な治療を選択することが大切です。

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