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医学の豆知識

6.狭心症 2002年10月15日掲載

心臓は、一日に約10万回のペースで生涯休むことなく拍動を続けます。このような働き者の心臓の筋肉(心筋)は、大量の酸素を必要とします。この酸素を心筋に供給するのが冠状動脈という血管です。冠状動脈に動脈硬化が起こって狭窄(血管の内側が狭くなること)が生じると血液の流れが悪くなり、運動時など多くの酸素が必要になる時、心筋は酸素不足(虚血)になり胸痛が生じるようになります。このような一過性の胸痛発作を狭心症状と呼びます。この痛みは運動を止めてしばらく休んでいると消失するのが特徴です(労作狭心症)。また狭心症状は運動時ばかりでなく安静時にも現れることがあります。冠状動脈の狭窄がそれほど高度でなくても、特に夜間や早朝に血管がけいれんを起こして狭心症状が起きるもので異型狭心症とも呼ばれています。

動脈硬化による冠状動脈の狭窄は、これまで徐々に進行すると考えられていました。しかし最近は、血管の内側にできたプラークというコレステロールの固まりが、ある日突然破れ、そこに血栓という血の固まりが出来て血管をふさぎ、突然狭心症状が出てきたり(不安定狭心症)、完全に血管がふさがった場合は心筋梗塞になることが解ってきました。このような病態は急性冠症候群といって、症状の安定した狭心症と区別して考えられるようになりました。

今までなかった狭心症状が突然現れたり、痛みの程度や持続時間が急に変化した時は迷わず医療機関を受診することが大切です。どのようなプラークが破れ易いか、またプラークを破れにくく(安定化)するにはどうしたらよいのか多くの研究がなされていて、少しずつ解ってきていますが、大切なのはこのような動脈硬化を予防することです。

狭心症や心筋梗塞は、これまで老人や中高年の病気と考えられていましたが、最近は明らかに年齢層が若年化しており、30代での発症も決してめずらしくなくなってきています。この原因のひとつに生活習慣、すなわち運動不足、過食(高脂質食)、ストレス、喫煙などが考えられています。こういった習慣を改め、適度な運動、肥満にならない適切なカロリーの摂取を心がけましょう。また冠危険因子といわれている高血圧、糖尿病、高脂血症をもっている人はきちっと治療することが肝要です。

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